良いお年を!

今年最後の更新、春コミ新刊「俺とあなたの真実と」の駄文を毎度のごとく一部公開〜。つーか、全体が短いので一部だと余計に短い。

今年はみなさまには大変お世話になりました。
来年は…もう少しイベント出たいけど、仕事的には難しいかなー。接客だし。出れるときは極力、新刊出せたらなーって思っています。春コミにはきちんと新刊出すよ!むしろ、ほとんど終わってるから問題ない。

そんなんで、来年もよろしくお願いいたします。


題名→あいつと僕と銃と
内容→足立さんは銃が大好きらしいです。





足立透という人物が、失態から左遷され、堂島の相棒になったのは幸か不幸か。
堂島の相棒にならなかったら、鳴上悠とも知り合わずに済んだかもしれない。
足立にとってそれは、幸と取るべきか不幸と取るべきか?
知り合わなければ、足立は適当に捜査をしているだけ、堂島に怒られることもなく、誰とも会話をほとんどせず、ダラダラと過ごせたかもしれない。
だが、刺激が全然足りないのは事実。ただ、テレビに人を入れるだけの力が、何の刺激になるものか?
堂島の相棒になれたことで悠達と出会い、わざと事件捜査の情報を教え、攪乱できた。
馬鹿みたいに必死になって、テレビの中に入って人助け。なぜ、噂になった人物がテレビの中に入れられることも知らないで。
この光景が見られるのは足立にとって、幸。
だが、この行為が後の自分に不幸をもたらす事を知らない。

「足立さんって拳銃持っているんですか?」
いつものように、堂島に書類を持ってきたはいいが、菜々子と一緒にジュネスに買い物に出ていた。
上がって待ってて下さい、と家に通されお茶を出され一息ついていた時に突如として悠は質問を投げかけた。
「……何なの?急に……」
出されたお茶をズルズルと音をたてながら飲み、湯呑を机に置いた。
「昨日、テレビで刑事ドラマを菜々子と見まして。それでですね、菜々子が『おとうさんがけんじゅうをもっているの見たことない』って」
「それで?」
相変わらず、そっけない返答だったが悠は気にせず続けた。
「菜々子が言うには、おとうさん…堂島さんはどうして持ってないのかって…」
「なんで、僕に聞くの?堂島さんに聞けばいいじゃない?」
「考えてみてください、菜々子が拳銃の話なんてした日には堂島さん、テレビ禁止するかもしれないじゃないですか」
「あーなるほどー」
堂島は菜々子を溺愛している。
そんな愛娘が”拳銃”という物騒な言葉を発するものなら本当にテレビを禁止するくらいの勢いの堂島が容易に想像出来、足立は苦笑した。
「で、実際どうなんです?」
子供の様に瞳をキラキラさせながら見つめられ、鬱陶しいにも程があると当人に聞こえないように足立は舌打ちした。
「持ってないよー。色々と法律で決まってるんだからー」
「…え、そうなんですか……」
しょんぼりした顔を隠さないものだから、足立は思わず言葉につまってしまった。
卑怯だ…と思わずにいられない。高校生にもなって、刑事が常に拳銃を持って、犯人に立ち向かう姿を勝手に想像しないで欲しい。
ですよねーって、軽く返された方が足立としては気楽だった。
だが、なんで悠ががっかりした姿を見て卑怯だと思った方が不思議だった。別に、どう反応しようがまったく興味のない事だ。
それに、菜々子の疑問を聞いてきただけじゃないのかよ、と内心突っ込みをいれた。
「ドラマと現実を混ぜないで欲しいよ。基本、制服着てる警察官は持ってるけど、僕みたいな私服の刑事は上司の許可がないと持っちゃダメなんだ」
いちいち、ガキの反応を気にするなんてどうかしてるな、と気を取り直しながら続ける。
「持っていい時は凶悪犯人追い詰めた時だけ!だって、凶悪犯だよ?銃持ってなかったらこっちが危ないかもしれないし…」
「え…だけど、それって危ないですよね?」
悠が心配そうな声をあげたのが、足立の癇に障った。悠達がテレビの中に入ってシャドウを倒し事件解決に動いているのは知っていた。
そんな、テレビの中に好き好んで入るような馬鹿に、しかも年下に心配されるなんて屈辱だ。
足立は今回の連続犯人は誰だかも知っている。
だから、危険なシャドウと戦う悠の方がよっぽど心配される対象になるのに、他人の心配なんて馬鹿みたいだ、と思わずにはいられなかった。
「危ないって何が?凶悪犯追うのが僕たちの仕事なんだけど」
とはいえ、そんなことは知ったことではない。再度、気を取り直していつものように軽く返した。
「いえ、上司の許可がないと銃を持てないのって手遅れになるってことないですか?だって、いつ犯人と遭遇するか分からないじゃないですか…」
「………ま、そうだねー、手遅れでしたって事例はあるよー」
「そう、ですよね…刑事って大変ですよね…」
言葉に詰まりながら、たどたどしく言葉を返す悠に足立は、こめかみが自然とピクピクするのを感じた。
足立はこういう風に表だけ心配されるのが大嫌いだ。表面上ではどうとでも言える。
窮地に陥ったら助けるよ、友達だろう心配するのは当然だ、俺はお前を裏切らない信じろ…。
言葉を浮かべるだけでも反吐が出る。こういう言葉を言う奴に限って、実際そういう状態に陥っても絶対に助けない、裏切る。
自分が、トバされる事になっても誰もが見下した眼しか向けなかった。同期も『ざまーみろ』と言わんばかりだった。
誰一人として味方になってくれた者はいなかった。
「まったくだよ。拳銃を所持してなかったが為に、怪我ならまだしも死んじゃったらどうするんだろうね?」
「え…死ぬって…」
悠は消え入りそうな声で言って、俯いた。



続きは新刊「俺とあなたの真実と」で!

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